恋の階段

これは私の友人の実話をもとに再構成した現在進行形の物語です


早速忘年会のあと、やはりゲーム好きという同僚を誘って
ゲーセンに行く約束をした友人χ。
やった♪これで親しくなれる♪ と思った矢先、友人χは
仕事に呼び戻された。


「残念です…」肩を落とす友人χにギャンブラーは
「仕事が終わったら合流しましょう。連絡先、教えてください」


なんの抵抗もなく赤外線通信を求めてくるギャンブラー。
友人χは優しさを感じた。この人と本当に仲良くなりたいと思った。
警戒心のない、底抜けに明るい笑顔が、確実に癒を恋へと変えていく。


友人χは一刻も早く仕事を終わらせようと、逸る気持ちを抑え
作業に集中した。しかし時間は無情である。


やっと仕事を終え、教わったばかりのギャンブラーの携帯に電話する。
しかし
「僕も同僚も、今日は負け続けちゃってるんです。もう
 帰ろうかって話してたところなんですけど…」


またも肩を落とす友人χ。
私が行くまでゲームを続けさせて、もっとお金を使わせちゃったらどうしよう。。
諦めようと決心しても、心はそれを許さない…。
「すごく楽しみにしてたのに」
ふっともらした友人χの言葉に、ギャンブラーは優しく答えた。


「じゃあ、せめて食事だけでも一緒にいかがですか?」

(続)