出雲行き断念

出雲へ「棋聖戦第一局」を2泊で観戦に行く。
なんて言ったら、ふつうは「もったいない」と思うだろう。


だって、棋譜中継はもちろん、たぶん写真付きブログで
様子は分かるし、なんといっても
梅田さんのリアルタイム観戦記があるじゃないか!


しかし現地大盤解説の楽しさはそれとは別にある。
梅田さんの観戦記はネットに上がるから、リアルタイムじゃ
なくてもいい、といえばいい。
どうせ将棋教室に行ってしまうのだし。


「明日、出張に行ってくれ」と平気で言われていた傭兵にとって
日本国内の移動など、苦にならない。


そう思って出雲行きを調べた。
対局旅館が辺鄙なところすぎる(涙
1泊では無理なこと、レンタカーが必要なこと、
時間的にも新幹線ではなく飛行機が良いこと、
素泊まりのホテルが空室であること、を踏まえ
実現不可能ではないと判断した。


いや? 本当に実現可能なのか?!


ネットでも充分楽しめる企画があるのに、それと引き換えるには
費用がかかりすぎる。休職中の私には安いとは言い難い。
それに「将棋酔い」するとへとへとになってしまう私に
自動車を運転して終局後に何キロも移動できるとは思えない。


「日本国内の移動など、苦にならない。」は、嘘ではないか!!


ショックだった。
以前の私なら絶対に行っていたと思うのに。
今の自分がイヤになった。私が私じゃないみたいだ。


普通に考えれば、休職中の人間が東京から出雲へは行かない。
まして体力も無いのに「行こう」と思うこと自体、問題。
医者にも言われたではないか
「正面突破だけが正解ではない」と!


現地大盤解説には事前予約が必要(たぶん)。
まだ入れるのかどうか、確認する前に出雲行きは断念した。
それも自分らしさに加えよう… 加える勇気を持とう。


そんな自分を受け入れるには、一人で部屋に居るのが耐え難く
溺愛の甥が行っているという教会へ、急きょ出かけた。
甥や周囲の人に癒されて、やっと出雲断念を受け入れられた。
もう「日本国内の移動など、苦にならない。」私では無いのだ。