風通しの悪い部屋

もちろん金庫*1なので風すら通っては困るのだが、
それにしても「風のうわさ」すら入って来ない。
親会社の幹部は、私たちの部署(そう、たかが部署レベル)に
過大な課題を課し、ねじまがった論法でセキュリティを語り、結局
行きつく先にいつもある「売上」ばかりみている。
まともな精神ではあの部屋には居られない。
見ざる・聞かざる・言わざるの精神が、ようやく唯一の保身だと
気がついた。


うちの部署にいったいどうして欲しいの?
そんな疑問は、3月に2007年度期が終わったときに聞いても無駄だと
諦めた。
はてな役員会を見習おう」で始めた役員会議事録のメール配信も
社員に読まれては困る箇所が削除されている。
うちの部署に限っては「全文削除」だった。それならいっそ、
項目から全部削除してくれよ、と本気で思った。
うちの会社にははてなーが多く居るはずだが、社長が「はてな」の
名前を出すたびに「もう信じるか」という気持ちだろうと思う。
幹部は「はてな」を誤解している。


さて。大御所のお言葉を借ります。

IT関係の今年上半期最大のニュースは、グーグルと対抗するために、マイクロソフトがヤフー買収を目論んだことであった。
(中略)
この過程を観察していて印象深かったのは、両社のCEO(最高経営責任者)が、節目にあたる重要なタイミングで、買収交渉状況を説明する手紙を全社員にあてて書き、メールで配信し、その全文がネット上のニュースや新聞でも取り上げられていたことだった。

ウェブ立志篇 「情報共有」の重要性
米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫氏 産経新聞


そうなのだ。これは見ていて面白かった。
日本のニュース(私はネットでしか読んでいないが)では、たいてい
「・・・という会社の判断(決定)を社員に向けて告知した」
というような見出しになっていた。だから例えばヤフーがマイクロソフト
正式回答する前に、買収されるつもりが無いことが社員に伝えられ、私たちも
間接的にヤフーの姿勢が分かった。
マイクロソフトの申し出をヤフーが退けたというニュースが載ったのは
そのあとだ。
社員一人ひとりがどう考える(買収されたいのか、否なのか)は知らないが
会社の方針を「社員だからこそ知りえる」のは心強かっただろう。
想像だが、会社との一体感もあったのではないだろうか?
金庫で働かされてる私にしてみれば、
「いいな、ヤフーの社員は大切にされて」ってな嫉妬心ですわ。


うちの部署には海外拠点があるのだが、そこに数か月のサイクルで
社員が派遣される。M氏が5月から7月の予定で行っている。
M氏のあとは誰だろう?
「え?伊藤さん(仮)だって、稟議書回ってたよ?」と総務関係者。
当事者の伊藤さん(仮)が「え?!聞いてないけど!」


まだある。
親会社の株を持っていた親から電話。
「今度某市に▲▲▲の大規模工場作るんだって?
 お前の部署も行くんでしょ?」
はぁ? 聞いてませんけどぉ?
その「大規模工場」ってやつを。聞いてみたけど、私の部署の上司も
「そんなこと知りません!」だって。
社員より株主が先だね。それが、うちの部署に関わることなのに。

ネットになじむ若い世代は、情報共有を希求する気持ちが強い。よって若い知性を惹きつけたいと考える頭脳産業では、組織内情報共有のあり方は、企業の創造性を左右する死活問題となった。

同上

ああぁ…この記事、読ませたい。だけど
うちの会社、産経新聞購読してないよね(爆死


あ!創造してみました。「知らせ」を運ぶ「虫」を飼いましょうw



*1:本当の金庫ではなく、中で機密情報・金券を扱う業務を行う部屋