羽生さんの「雪だるま」に血が沸いた(爆)

先週・先々週と梅田さんの「棋聖戦梅田望夫氏観戦記」を読んで
おおいに楽しみ、その後も遠山棋士から☆を頂くなどして
市井の身としては余りある光栄! と興奮していた(笑)


しかし私は現在体調を崩しているため、刺激に特に過敏になって
いて、しかもそれによってあっさり体調を悪化させるので
医者からもカウンセラーからも注意を受けた。あは。。
でも梅田さんによる「観戦記」も一度きりだし、この興奮も一過性な
ものだよ。今週はもう大丈夫と、平常心で今日、月曜日を迎えた。


なのに突然である! うっかり梅田さんのブログを読んでしまった!
厳密には、梅田さんが産経新聞に寄稿している「ウェブ立志篇」を
読んで、興奮してしまったのである!
量が質に転化する瞬間
http://sankei.jp.msn.com/culture/shogi/080623/shg0806230330000-n1.htm


ネットの進化(と普及)によって、知や情報は誰でもが容易に
入手できるようになった。その結果、ネットが無かった時代に比べると
人はより速く高水準の知識あるいは技術を得ることが可能となった。
その代わり、今まではある程度特別・特殊な環境下にあった人にしか
得ることができなかった水準に、誰もが到達可能なため、そこで
知識・技術のぶつかり合いは激化する。


これを羽生棋士は「高速道路」と「渋滞」という表現をした。


ん。語弊があるな。「高速道路」と「渋滞」という言葉を使って、
ネットに何が起きているかを羽生棋士が解説した。


の方がいいのかな?


この解説を、私は梅田さんの「英語で読むITトレンド」で読んだ。
つまり少なくとも2004年以前のこと。
「うまい表現するなぁ!」と感動し、それからもずっと
ITとは「高速道路を突っ走れる道具」という印象を持っていた。


「では渋滞を抜け出し、さらにそこから頭を出す」には
どうしたらいいのかなぁ…と、漠然と考えていた。
しかし今日の梅田さんの記事

「いまは知識の雪だるまを作ってるような段階です。どんどん蓄積して、どんどん分析することで、雪だるまが急激に大きくなっている。転がり続けていますから。でもその雪だるまって、どこまで育つかまだ分からないんですよ。そのデータベースがかなりの量を網羅していったときに、ひょっとすると相乗的な効果が生まれてくるかもしれませんよね。誰も予想してなかったイノベーションが起こったり」
(「歩を『と金』に変える人材活用術」、共著、日本経済新聞出版社

これを読んで椅子ごと後ろにひっくり返った(かと思うほど衝撃を受けた)
なぜこの著書を私はチェックしていなかったのか!


高速道路の先の渋滞は、現在ごっちゃごちゃだと私も思う。
しかし既に頭を出すには「質だよね」とあっさり答えが
出ているではないか! 私は上記の羽生棋士の「どんどん分析する」
という言葉に、先日の梅田さんの「観戦記」にあった

佐藤棋聖と羽生挑戦者の感想戦は、2人にとってきっと至福の時間なのだろう。


傍で見ていて、私は本当にそう思った。


そこには勝者も敗者もおらず、科学者が真理を探究する姿だけがあったのだ。

を連想した。
分析とはただの解読ではなく、選り分けなのではないかと思ったのだ。
吟味の上、情報はさらに整理されると言っているように読めた。
科学者がお互いの発見を認め、まとめ上げる姿とかぶった。


だからだ。体中の血が沸いちゃった。興奮が一気にピーク。
もう一度冷静に記事を読み返そうと思ったが、それでは私はショック死
するんではないかと思った。


座っていても他のメールを読む気になれない。じっと座っていられない。
フロアを歩き回り、それでも興奮冷めやらず、金庫へ行って
員数確認をしていた人を捕まえて「それ手伝わせろ*1」と言って
取り上げた。


それにだ。このコメントはまた羽生棋士の口からだというではないか。
将棋において既に常人を超えた頭脳を持っているのに、それ以外で
どこにこんなことを考える脳が残っているのだ!
ここ数日、私が羽生棋士のことを日記に書いているので、同僚のN女史が
羽生棋士について調べたと言う。N女史も顔と名前と公文のCMくらいは
知っていたのだが、調べてみて「本当にすごい人なんですね」と言った。
そして「(普段の羽生さんを知らない)私たちがこういう言い方をする
のは失礼なんだろうけど、やっぱ『天才』なんでしょうね」と言った。


そう。失礼かもしれないけど、間違いなく『天才』でしょう。
梅田さんの記事にはさらにこう書かれている。

羽生は、高速道路の先の大渋滞を抜けることと「量が質に転化する」ことは深くかかわってくるはずだと、最近いつも私に言う。そして、この仮説をめぐる何らかの事象は、社会が変化するよりも先に、限定的空間である将棋の世界でピュアな形で発現するに違いない。羽生はそんなことを考えながら、厳しい勝負の日常を生きているのである。

有言実行? いや、そんな生ぬるい言葉では表現しきれない。
羽生棋士は「量が質に転化」するのを自分自身で体現させてみせている
ではないか*2。だからこそ余計に、この仮説とやらは現実味を帯びて
私の血を沸かせてしまったのだ。


もう…勘弁してください。今週も月曜から興奮しすぎです。。

*1:本当は「それ手伝わせてください」と社会人としての礼儀をわきまえる程度の余裕はあった(笑)

*2:7つあるタイトルのうち6つの「永世」を獲得。残りの1つもあと1回得たら「永世」入り。ちょっとは将棋のことも調べたんだw