誰にも読まれたくない論文

体調がすこぶる悪いので、ここんとこ外出はほとんどなし。
必然的に家の中で音楽聴くか、テレビみるか、ブログ書くか(笑)
エントリーが無駄に増えてるけど、ご容赦。


小説を書くときはワープロだ、ってなことを昨日書きましたが。
もしワープロがなかったら、私は大学を4年で卒業できなかった
かもしれない(笑)
自分用のワープロを入手したのは大学3年の時だったから、まぁ
4年生の頃にはブラインドタッチだったわけですわ。


今まで親はもちろん、同僚、友人、知人とも話題にしてこなかった
んですが、私の卒業論文は「豊饒の女神について」だった。
いや、正確なタイトルなんて覚えちゃいないけど(汗


小学生のときから夜空を見上げるのが好きで、星座にいちいち
ギリシャ神話(七夕伝説の存在はもちろん別物として把握)が
あるのが楽しかった。それでギリシャ神話は割と知ってる方だった
のだけど、これって全然神様っぽくないというか、むしろ人間より
欲が深いし権力にかさ着るし、人間に与える影響(危害)も大きかっ
たりして、それが日本の昔話(風土記系ですかね)に似てるなぁと。
もしかして神話って世界共通なんじゃん。なんていう結論を
小学生の分際で勝手に出していた。


大学で比較文学を専攻したのは、言ってしまえばその検証作業ですな。


4年間もありながら、卒論の準備なんてものは3年間手もつけず。
4年の前期でとりあえず「紀記」を読んで、「あ、これは違うわ」
ってことで、後期になってからようやく「風土記」系へ。


ギリシャ神話」なんて大風呂敷を広げたのはいいけど、
登場する神とその因果関係の複雑なこと。しかもこの頃になってやっと
神話は西から東へ文化とともに流通したのじゃないか?などという
疑問を抱いたから、ギリシャからペルシャ、インド、中国と辿って
(その間の短命だった文明の神話も全部チェック)日本の神話を
読んでいたら、後期はあっという間に過ぎてしまった(汗


やべぇ!これは立証できん!
というか、神話は土地で発生したものもあれば本当に東から西へと
動いたものがあるから、一概に「こうです」と結論付けられるものでは
なかった。
こんなことなら大林太良先生のゼミにでも入れば良かった!とか
思ったけど、時は既に全然遅し。教授で大学を選ぶ、なんて技量は
高校時代には持ち合わせていないし、そもそも大林先生の本なんか
存在すら知らなかったよ!ってなわけで。


卒業をかけたラスト一ケ月。
「農耕民族にとっての豊饒の神は常に女性である」という共通部分だけを
引っ張ってきて、人間の『生む』『産む』概念をむりやりまとめてみた。
そんなこんなで。
ラスト一ケ月は著作物と著作物の間に自分の論理をちょこっと挟みこむ
引用多用論文の作成。最悪だ。 orz

コーヒーとポットを自室に持ち込み、朝からほぼ引きこもり状態で
本を左にひたすらキーボードを叩く。ブラインドタッチだから、長い
ときは3行くらい変換なしでキーを叩きっぱなし。幸いにもワープロ
辞書がかなり優秀だったから、3行まるまる一気にEnter。
ほんと、これが無かったら絶対に提出期限には間に合ってなかったね(汗


その結果。他人にはもちろん、自分でも読み返したくない論文が
出来あがった。読んで採点した准教授にエールを送りたいw
過去に幾つか小説を書いて、駄作に終わっているものは多数あるが
(でも駄作でも自分にはかわいく思えたりするww)
卒業論文だけは、誰にも見せられたものじゃない。