就きたい仕事と夢と

なんていうか、学生の頃、やりたいことというか
夢みたいなものがあったのですが、それを実現するのは
無謀というか、困難すぎるというか、地に足ついてない
というか… とにかくそれで「飯を食おう」なんてことは
頭に微塵もなかったんです。


1年生の頃からサークルの先輩がリクルート活動している
のは見ているわけで、就職ってのは猛勉強が必要だと
思っていましたし、入社したい会社には足しげく通わないと
いけない(OB訪問とか)と、背中を見て学びました。


夢とは違うけど、やってみたいことはそれなりにあり、
それは大企業に入らないと絶対にできないことだったので
私の場合は同窓生の中でも早くから活動していた方でしたし、
結果から見ると、俗に一流企業に就職できたのは私だけで
それが私のやるべき道だと思っていました。
誰かが「敷かれたレールを走っていると誤解するな」
=敷かれたレールなんてねぇよ というエントリーを上げ
られたばかりですが、私としては、それが私に敷かれた
レールだと思っていたんです。レールに乗るのに努力するのも、
当然なこと、みたいに。


んで今になって、もう大企業に自分が居る必要は無いんじゃ
ないか、なんて思い始め、「けものみち」を真剣に考え
始めています。病気で2年も休んだ上に、ほとんど
給料泥棒のような復帰をしていてお金をもらえるのは、
やっぱり大企業に頑張って入社したお陰だし、会社に
感謝はしています。それなりの蓄えもできましたし。


しかしですね。とても身近に、まったく違う道を歩いてる
やつが居るんです。弟Bなんですが。


やつは幼少の頃から美術の才能をみせていて、中学生の
頃から「美術大学に行く」のは決まってました。
そういう勉強をしてきたし、本当に才能もあったのか、
デザイン界では割と有名な人に大学院進学を勧められ
かつ卒業してからも仕事をもらったりして、いきなり
フリーで仕事を始めました。


たぶん彼の実績をここに列挙すれば「え?あのデザイン、
弟さんの?」なんて驚かれる物もあると思うのですが
身内としてはですね・・・ (以下自粛)
フリーって、そういうものですね。成果報酬なんですよ。
弟Bの場合は空間演出デザイナーですから、店舗の内装
とかいっさい請け負います。最初に出ていく金ってのは
高額なんですよ。


しかも学生時代からフリーで仕事始めてますから、私の
ように「蓄え」をする時間もなかった。
デザイナーの仕事以外に塾や専門学校の講師をバイトで
やってますが、そんなもの、それこそその日の食事代
です。


親にしてみれば「フリーランスは止めろ!」
なんて言い出してますが、今更就職口なんてありませんし、
起業すれば倒産する可能性も出てきて、下手すれば
自己破産ですしね。姉としては「自己破産」なんて形で
やつの夢が破れるのは回避してやりたいと思ってしまいます。


仕事にも「タイミング」があります。縁もあります。
それを見逃さずに活かすのも「けものみち」には必要不可欠
な能力なはずです。弟Bにとっては、それが敷かれた
レールだったんだと思うのですよね。
成功と失敗。白黒はっきりする「けものみち」の
恐ろしさです。やっぱり最初に大企業に入った私なんか
からしてみると、足場を固めてからじゃないと踏み出せないな。。