図書のアーカイヴ

「情報は使える状態で公開すべきだ!」なんて書きましたが、
アーカイヴする立場(作業者)からすると、ほんと、大変なんです。
デジタル化して残したい物はたくさんあるのですが、特に
「書籍」の分野から着手しているようなので
書籍についてちょっとだけ。


国会図書館では基本的に書籍を閲覧できますが、できない物も
沢山あります。そもそも国会図書館に出向くという時点で
絶版物とかを探しに行くのかもしれませんが。


閲覧できないのは「古い」書物です。持ったら崩壊するよ、
ってな状態のものです。・・・というのはオーバーですが
とにかく慎重に扱わないと破損の可能性大のものです。
そういうものを、例えば撮影しなければならない、なんて時は
実物を出すしかありません。特別な許可が必要ですし、
撮影は国会図書館内の写真室に限られます。


それでも「持ちだせない」本があります。それらは
マイクロフィルムになって保存されています。うーん。
もうちょっとデジタル化時代が早ければ良かったですね。


ところで、ある日突然に、大学や図書館、博物館などで貴重な
資料が発見された!なんてニュースがあります。
なんでそんなもんが今頃見つかるの?なんて思います。


が!


古いもの、何世紀も前の書籍、こわくて触れませんよ。
まさに「触った瞬間に崩壊」するんじゃないかと思います。
それを目の当たりにしたのが、ポルトガルコインブラ大学。
ここの図書館では、館内でこうもりを飼っています。



飼っているというと語弊がありますが、こうもりが書籍につく
虫を食べてくれるので、あえて追い出したりしないんだそうです。
うん、やっぱり「飼ってる」んだな。。


書籍はOCRで読みとるのが理想♪と思うのですが
OCRの精度は高くなったとはいえ現在の新聞が読める程度。
フォントによっては読めませんし、手書きで古い物はもう
不可能です。
じゃあせめて画像にしよう、というわけですが、
コインブラ大学の図書館も見ての通り、スキャナーに通すのも
写真に撮るのも、もう書籍を広げるのすらこわい。壊れそうで。


書籍はどこまでか知らないのですが、普通、古いものを扱うときは
手袋しますね。でも物によっては手袋をしてはかえってダメ!
なものもあるんです。それは物をよく研究してから扱う必要があります。


Googleの書籍画像には指が写ってる
なんて冗談みたいなニュースが飛んだこともありますが、
実際、アーカイヴの現場は丁寧第一。
まさか、本当に指は写ってないよねぇ?