魅惑の青年Mike

24歳になったばかり。New Yorkerっぽい服装がお洒落。目には
シルバーのコンタクト。


Mikeは国籍としてはアメリカ人。遺伝子的には人種不明。
見た目は東洋人、かなり日本人に近い。
日本語はすごく上手。ツッコミのタイミングも言葉もばっちり。
だけど日本語は勉強して覚えたのであって、家で日本語を話すことは
なかったとのこと。いやぁ、もうすっかり日本人でしたけどね。。


そんなMikeは、なーんかつかみどころがないというか、なーんか
内に秘めているというか、とにかく叩いたらほこりが、もとい
掘り下げていけばとんでもない物を持っているような魅力があった。
「今どきの若者じゃない?何考えてるか分からないというかw」
との意見もあったけど、そういう感じとはちょっと違う。


会話の中には普通に入っているし、別に無表情なわけでもない。
帰りの時間を気にしているようでもないし、かと言って大はしゃぎ
するタイプでもなさそう。


おっちーが「宇宙に行くためには眼が強くなければいけない」
という話を始めて、宇宙に行きたい派、そうでもない派に
分かれた。
私は「宇宙で地球を見ながら死ぬ」のが夢だから、もちろん
行きたい派。↑誰にも賛同を得られたことがないのだけど。
「一千万円出せば、大気圏スレスレのところの飛行は楽しめるんですよ」
うーん、でもそれって40分だけだよね。
それに地球が丸く見えないじゃん?知ってる?スペースシャトルからだって
地球は球体には見えないんだよ。
人類は地球の引力の及ばない場所には出たことがないんだー
地球を球体で見てみたいよね!


「それって神の視点ですね」おっちーに言われたけど、違うなー。
むしろ宇宙の放浪者。死んでジブリになって広い宇宙を流れ続けたら
幸せだろうなぁ(死んでるけど)


「そう思わない?」Mikeに尋ねてみたら「なにも地球じゃなくても
もっと綺麗な星があると思う」と。
「そうだけど。だけど太陽系はとても小さくて、たとえばわし座大星雲とか
銀河系より何十倍もでっかいわけで、綺麗な星を生で見ようとしたら
すごく大変!」
そんな話をしていたら、おっちーたちは「ふむふむ」と聞いていたのだけど
「わし座大星雲とかすごい大きくて」と言ったときに、Mikeがすかさず
「でもその星は、今はもう無いかもしれない」


そう!そうなの。何万光年も離れた星が発した光が現在地球に届いている
だけのことで、今この瞬間、もうわし座大星雲の星は無いかもしれない。
でもそれを確かめるには何万光年かけて行ってみなければならない…
というより、もう確かめる術は人類になし。確かめる前に人類は滅びて
いるだろし、地球も無くなっているだろう。


そんな話をしているうち、おっちーたちは話題がそれて行った。
が、なんとMikeが初めて自分から話題をもちかけてきた。
アインシュタインの、宇宙はどんどん広がっているという説も、
 今は違うんじゃないか、って説が出てきてますね」
「あ!Mike!宇宙大好きなんじゃん?!」
「はい、好きです。大好きですよ!」


やっぱり。何かを隠していると思っていたよ。Mikeの中に小宇宙があるね。
うん、Mikeはぼそっと小さい声で言って、すぐに話題をそらしたけど
「自分で会社をやるために日本に勉強に来ているんだ」と言った。
アメリカじゃネット使って仕事してる子供(中学生など)は当たり前。
Mikeもそんな環境で育っている。例外なく、それで遊ぶお金くらいは
稼いでいた(今はやっていないらしい)。


こういう青年が日本にどんどん入って来るよ。日本の24歳たち、彼らは
強敵だよw
。。。年齢に関係なく、のほほんとしていてはいけないのだがね、私も。


Mike、魅力を秘めた存在。またぜひ話をしてみたいと思う。