将棋指せない人へ−木村八段戦(w

はじめに
 私はかれこれ5年ほど闘病生活を送っており、4月現在、症状が悪化したため
 会社を欠勤、もちろん「将棋禁止令」も出ています。将棋は現在、勉強も観ることも
 していません。
 しかし、カウンセラー承諾のもと、4/25(土)の将棋連盟主催「レディースセミナー」
 に出席してきました。これを最後にしばし将棋を休むことと、
 この「レディースセミナー」が素晴らしいものであったことをお伝えして
 当エントリーを上げます。


指せない人へ
 4/25(土)の「レディースセミナー」には新聞社の取材が入りました。
 その取材にあたって講師をしてくださったのが
 「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ、木村八段でした。
 タイトルの「木村八段戦」というのはウソでw 指導対局をして頂きました。


 将棋はやってたけど、最近は観るばっかりで、すっかり縁遠くなっちゃったなー
 という方、決して「縁遠く」無いですよ!! あなたは立派な「指さない将棋ファン」!
 これは私がなんたら語るより、これ、読んでください!
 あれー、トップ棋士でも意外とこうなの?という素顔が伺えたり、自分は決して
 将棋からそんなに離れてないことが良く分かるはずです!


シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代

シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代


 で。私が強いて補足するとしたら、
 「ルール知らないし。でも将棋できたらかっこいいよね」と思っている人へ。
 (実はこういう発言を、この半年で3人の女性から聞いた)
 「じゃ、まず、ちょっとやってみようよ♪


将棋はそんなに恐くない
 上記著書の中に、こんな文があります。

プロのように美しい将棋を自分で指せるようになるには、それこそ一生を費やさねばならない。そんな根性はないから観るだけのファンになるのだけど、棋力が伴っていないと、発言は控えなくてはいけない。将棋の世界には、そんな暗黙の了解があったと思います。羽生さんがおっしゃるように、プロは深く読む。でも、そうじゃない見方をしている人たちも、いる。最近は、将棋の弱い僕がリアルタイム観戦記を書いたこともあってか、ルールを知っている程度の「指さない将棋ファン」が、ネットに書いた感想を目にすることも増えてきました。

P236 ちなみに、梅田さんは将棋、弱くないそうですよw


 最近、こういう風潮になったらしいですが、私にとってはそれすら初耳でした。
 私が「将棋は面白い」と認めるようになったのは、たった4ヶ月前で、それまでは
 「嫌い」だったからです。


 確かに、ルールすらおぼつかない私が、単独将棋連盟の大盤解説に行ったとき、
 他に女性なんて居ませんでしたから、浮きまくりました。プロ棋戦「棋聖戦」の大盤解説でした。
 入ってこられた解説者、私を見付けるなり、何と言ったと思いますか?
 「あ、女性の方!棋力は?」


 「棋力」に変換するまでに数秒かかりました。「気力なんて聞いてどうすんだろ?」が
 第一印象です。棋力が無ければ大盤解説見ちゃいけないのー?
 いけなくは無いですよ(お金払ってますしね)。でも、見ていても全然わかりません(笑)
 しかし不思議です。分からないけど、おもしろいんです。
 将棋はゲームなんです。しかも何百年という歴史を持った、神が作ったゲーム(佐藤九段談)。
 ゲームって、面白くて当たり前じゃないですか?
 サッカーのルール、全部知ってますか?
 フィギュアスケートの採点基準、全部知ってますか? 知らなくても、見てて興奮するでしょ?
 「将棋は敷居が高い」という偏見は捨てましょ♪
 将棋だって、そんなにかしこまって「自分には無理」とか思う必要ないのです。


やってみれば?
 ネットで将棋をしている人は多いです。が、そういう人はルールも知ってるし強い。
 ルールも良く知らないのに、いきなりそんなとこアクセスしたら瞬殺されて楽しくないです。


 習って見ちゃえばいい。と私は思います。独学より、楽しいです。
 が、現実問題、将棋塾を探すのは難しいですね。道場みたいな場所はあるようですが。
 東京で私が探すのにこれだけ苦労するのですから、地方だと尚更だと思います。
 これは、もうプロのみなさん、今まで以上によろしくお願いします。というしかないですが、
 関東辺りでは、それでも増えてきているようです。
 天野三段が、突発的に将棋塾を開講したりしますから、運良く見付けたら、怖がらず
 「ルール知らないんだけど」と言って寄って行ってみてください。


 とりあえず、将棋連盟東京教室だけでも、いろんなコースがあります。
 http://dojo.shogi.or.jp/
 「ルールを知らない」ことは、恥ずかしいことじゃないですよ。指してみたい、と
 思ったら指してみればいい♪


 これは大きな声じゃ言えませんが… 私はレディースセミナーに入って半年ですが、
 最初の4ヶ月くらいは、角や銀を横に動かしたり、先生の王の斜め後ろに金を指して
 「それ…王手のつもりですか」と先生方を散々困らせたものです。
 半月ほど前も指し手が無くて苦しんでいたのですが「銀は前に進める」ということを
 ど忘れしていました。なんのことはない、銀を指せば解決w



木村八段の指導対局
 ちょっとだけ、このときの様子(私の場合)をw


 私は先生が攻め駒6枚を使わない、いわゆる「6枚落ち」で習っています。
 6枚落ちならね、なにもA級棋士の指導を仰がなくても十分ですよw
 ただ、木村八段はキャラ的にめちゃくちゃ面白い方ですから、対局は楽しかったです。


 木村八段は女性には親切  この噂はずっと前から聞いていました。ところが!
 直前になって、ある確かな筋から
 − 木村八段は「鬼の上手」で有名である
 という情報を入手してしまいました! ビビりました(笑)


 確かに、木村八段は親切です。
 でもw 「鬼の上手」であるのも事実でした(笑)


 プロはずーっと先まで読んで、この手が良いのか充分検討してから指します。
 しかも専門的に勉強したうえで読みますから、始めて半年の私の考えていることは
 バレバレです。
 というか、我ながら、なんて分かり易い駒運びなんだろーww と失笑してました。


 私がどういう構想で攻めようとしているか、木村八段には投了までのストーリーが
 見えていたでしょう。なので私が変な手を指すと「それは良くない」と指し直しを
 させてくださいました。


 ある場面で。私はそんなに悪くない手を指しました。音で喩えるなら「さら」っ。
 それを認めた上で、木村八段、
 「でも、ここでこういう手もあります」。音で喩えるなら「びし」っ。強っ!
 をー!!すごい! と感動していたのも束の間。木村八段は駒を「さら」っの配置に戻し、
 そして!! 私の構想が一気に破たんする手をパチ。


 Oh! No!! Σ( ̄□ ̄l|)ノノ
 ここまで気付かない振りしててくださったのに、土壇場でそれやりますか!(涙


 ようは私が自分の構想に見落としがあっただけなのですが、そしてそれはプロにとっては
 「構想の破たん」には全然ならない程度のものだったのでしょうが、
 ど素人はパニックです!「おにー!」って感じですw 元に戻すのにどれだけ苦労したか!


 その分、恐ろしいくらいの充実感が得られました。。


木村八段の大盤解説
 羽生さんと戦った王位戦でしょうか?木村八段勝利のときの大盤解説をして頂きました。
 「こういう手を相手は狙ってるから、それを避けて、こう指します」
 「これだと駒損もしませんし、状況はこちらが有利と判断しました」


 なるほど。ああやって考えるのか。
 以前から思っていることですが、大盤解説を見るならプロ棋戦です。
 初歩的な、定跡に近い対局を見ても、あまり自分で考える力にはならないような気がします。
 かと言って、プロ棋戦なら理解できるのか?即戦力にならないのは事実でしょう。
 でもずーっと見てると、感覚的に「こうなんじゃないか」と思えてきます。
 門前の小僧、習わぬ経を読む!


 指導対局中、自分の角を捨てるか飛車を捨てるか、選択できる機会があります。
 そのとき私は、もう無意識に角を捨てます。
 だって、プロ棋戦を見てると、飛車はたいてい盤上にありますが、角の交換は激しく、
 両者、角が駒台の上にずーっと置かれっ放し、ということはしょっちゅうです。
 つまり、攻めで「飛車」は捨てちゃいけないんでしょ?
 大盤解説と棋戦ネット速報を観ているだけですが、なんとなく覚えます。
 この見解が正しいかどうかは知りませんが(爆


女性のみなさま
 男脳とか女脳とかいわれますが、私はやはり、将棋は男脳だと思います。一般論として。
 しかし、それなら将棋は女性同士でやればいい。ゲームなんだから。
 別にプロじゃないのだし、面倒臭かったら思いつきで指していればいいじゃないですかw
 行き当たりばったりの勝負師だったとしても、その勢いで勝つかもしれない。
 勝負師の勘って、意外と先を読めちゃっているからこその部分もありますよね
 (人によります)。


 東京近郊の方だけで申し訳ないですが、レディースセミナーは無料で一度だけ体験入学できます。
 たまにA級棋士が指導に来ちゃうような教室ですよ。
 一度、遊びに来てください。
 毎週土曜(午前クラス10:00〜、午後クラス14:00〜) 月2回or月4回か選べます。
 どの講義を受けるのか、予約は不要。「今日行こう」と思ったらふらっと千駄ヶ谷へ。
 http://dojo.shogi.or.jp/s_yuyu/index.html


 今年は女流棋士が誕生して35年だそうです。プロとしての女流の歴史は案外
 浅いのですね。ふ。。女流の方々、かなり強気(攻め)ですよw
 男性の棋戦とはどこか違って、やはり女性同士、面白いです。
 パーティーがあるそうですから、参加しちゃってくださいw
 http://lppg.shogi.or.jp/event/index.html


 男性プロ棋士とか
 将棋やってる人は頭いいし、まじめそうです。(事実、そうなのでしょうが)
 だからといって、七三分けの黒縁めがねを連想するのはやめましょうw
 レディースセミナー、あるとき、ふさふさダウンにブーツ、「こんちはー」と
 教室に入ってきた、イマドキのにーちゃんが居ました。なにごと??と思ったら、
 たまにレディースセミナーで講師してくださるプロ棋士でしたw
 仕事中はスーツだったり和服だったりしますが、普段は普通。もしかしたらイケメンかも!
 「将棋は敷居が」という偏見は捨てましょう♪