惣領冬実トークショー

金曜夜、銀座で催された 惣領冬実トークショー
行って来ました!


前にもここで紹介したのですが、マンガ家 惣領冬実さんの
チェーザレにハマっています。


チェーザレ 破壊の創造者(1) (モーニングコミックス)

チェーザレ 破壊の創造者(1) (モーニングコミックス)



表紙からは全く窺い知れませんが、中世イタリアの
ローマ教皇を取り巻く権力争いに、独自の理屈で争う青年貴族の
ほぼ史実マンガです。


絵がめちゃ綺麗。特に建築物や衣装が。


そんな作風の惣領さんが、ヴェルサイユからの依頼で
マンガを描いたのだとか。




マリー・アントワネットについては、近頃、日本のテレビでも
「誤解されてるよね」という話題になっていますが
そのへんをマンガで表現したものだそうです。


惣領さんの描画力をもってしたら、この時代のヴェルサイユ
超綺麗に描かれるのだろうな、と想像できましたが、
読んで驚いたのは、ルイ16世のカッコ良さ!


いくらマンガだからって、美化しすぎでしょう!と、まじで
思いました。


余談ですが、このマンガが雑誌になった秋ころ、電車で隣に座った人が
これを読んでいました。今にして思えば。
ルイ16世がベッドの中で、アントワネットにバリュー夫人の話を
しているシーンだったのですが。今にして思えば。


美形の青年が美少女を冷たくあしらっている場面なので、私はてっきり、
チェーザレ(誰もが認める美青年)が
妹のルクレツィア(歴史的に有名な美少女)をベッドから追い出した
そんなシーンなのかと思ったのです。


隣人のマンガを覗き込むわけいかないですしね。
ましてベッドで横になってるシーンですし(服は着ているが)。


つまり、ルイ16世が、美青年と同じくらいカッコ良く描かれている。
ヴェルサイユの薔薇」で育っている一般的日本人としては
違和感なわけです。


さて。トークショー
実はルイ16世は今どきのカッコ良い青年だったと
惣領さんが力説。


15歳にして身長は高く(処刑時は190cm以上)。
狩り好きなために筋肉隆々のスポーツマン。
口数は少ないけど国王の役目に真面目で、読書量も多かった。
アントワネットの寝室には、恥ずかしがってこっそり裏口から通う
シャイな面も。


当時のヴェルサイユ、特に王族が特別におかしかった(現代からすれば)
から、ルイ16世は逆に変人扱いされただけ、と。


なぜ、こんな話を惣領さんがするかと言うと、
ヴェルサイユから請われて、22日間、取材しまくったそうなのです、
ヴェルサイユに通って。


マンガに出てくるおばさま達とのカフェ室も、
ルイ16世の書斎も、実際に見てきたのだそうです。
普段は公開されていない部屋も。


トークショーでは、そんなご苦労話もたくさん聞けて、
なるほど、ルイ16世が美しいわけだと納得しました。


絵が緻密なので、すごく神経質な人なのかと想像したのですが、
見た目通りおっとりして、声も可愛らしくて、
顔は色白で肌が透き通るように綺麗で、緊張してしまいました。


チェーザレは子どもの頃から上等の服を着てますね」と言うと
「そうですね」と応えてくれました。


もっともっと話を聞きたかったですが、来場者がことごとく
話しかけるので、惣領さんは恐らく時間超過して
お付き合いくださったと思われます。


惣領さんの取材裏話は本にもなっています。


マリー・アントワネットの嘘

マリー・アントワネットの嘘


実はこの時代は嫌いだった(華美すぎて描くのが大変だから)とか
おもしろオカシク書かれています。


マリー・アントワネット」はその生涯の割にページ数が少ないので
続編が出たら良いなー、とか願ってしまいます。