作品の強さを知る〜発表会part3〜

一応、作品にはタイトルがあります。
ふりがな振ってなかったせいもあるけど、間違えて紹介されました。
あらまー!と思いながらも、ようやくイメトレ。


前の日記にも書きましたが、目標は他人を不快にしないこと。
発表会だから仕方ないけど、生徒は「自分より上手い」かしか
気にしてないでしょう。
そんな雰囲気の中、本当に作品(私のではなく、手本のオリジナル)
の良さを伝えたいと思っていました。


だから緊張というより、笑顔で出て行ったのですが。


自分の状況がわからない、というハプニングに見舞われました。
後で聞いたら、会場設営の関係でそういうことも
あるだろう、と。


ピアノなら、弾いてる音が聞こえない、という状況です。


時間にして15秒ほどテンパりました。でも、
分からないものは分かりません。 会場の人の反応を見て、
それで判断です。
不愉快そうでなければ、良しとする。


とはいえ、かなり厳しかったです。
K先生からは、人の顔を見ると緊張するから、非常口の電灯とか
見てると良い、と言われてたほどです。
本当はオリジナルのように、強弱を付けて表現したいのに、
それは自分の体、腹筋とか呼吸とかの感覚で調整するしかないのです。


笑顔で出て行ったはずが、たぶん、困り顔をしていたのでは。


しかし会場を見ていたら、K先生とY先生が並んで、頷きながら
見守ってくれていました。
その表情を見たら嬉しくなって、ちょうど作品もそこから見せ場
でしたので、我ながら驚くほどニコニコしながら続けました。


とりあえず、間違えずに終了。


控え室に戻ると、既に発表を終えてるくせに残ってモニターで見てた
生徒二人が「余裕でしたね」と声をかけてくれました。


ラスト発表者を送り出した先生も戻ってきて、いきなり
「(オリジナル作者名)ですよね? あの作品、良いですよね」


当初の目標通り、オリジナルの良さを伝えられたことも理解出来ず
他に褒めようがなくて、そう言われてしまったと思った私は
「オリジナルは良いですよね」と卑屈な答え…


自分の作品が分からなかったというのは、それほどに
恐怖だったのです。


会場に戻ったら、驚くような、想像もしないことが
待っていました。
K先生が涙しながら近付いてきて、
「隣でY先生が号泣してたから、私までもらい泣きしちゃって…」と
泣き出してしまったのでした。


ステージから見たK先生もY先生も、泣いてなかったはずなのに?


号泣とは大げさな、と思ったのですが、その後も他の生徒に
「Y先生を号泣させて、すごかったです」と。


Y先生、どんだけ泣かれたのでしょうか??


出来は良かったはずはないので、満足感というやつは
緊張感以上に得られていませんが、どうやらオリジナルの良さが
伝わったようです。


Y先生の感受性の良さもあるでしょうが…
やっぱり、なんと言っても、オリジナルが良すぎるんです。
たぶん私でなくてもY先生は泣いたと思う、そう確信するほどに
オリジナルは神がかっています。


もちろん、私自身が嫌いじゃないからコピったのですが、
改めて強烈な作品なんだと思い知らされました。


出来るなら、この作品のコピーに一生を捧げたくなる、、


しかし終わってみての感想は、もう発表会には出たくない、です。
この気持ちを逆転させて、また出ることになるような
大きな転機がなければ。



こんなに体調管理に苦労して、自分の非力さを思い知って、
立ち直るのに、時間がかかりそうです。


こんな私に、素敵なエピソードを添えてくれた
Y先生とK先生には、心から感謝です☆