臨機応変とか大局観とか
ネット上にいわゆる「日記」の類のものを書き始めたのが
2003年9月1日。まるまる5年経過しました。
その間、炎上しかけたこと1回、ストーカー被害3回。
「IDを取りなおす」という手段で回避したこともありますが、
「これをやるとトラブルになるぞ」というのが分かってきて
事前にやめておく、という対処がとれるようになりました。
とは言え、人間のあいだのこと。予期せずトラブルに
なってしまうことがあります。そういうときは、改めて
「完璧などというものはない」と肝に銘じなければなりません。
渡辺竜王がご自身のブログにこんなことを書かれていました。
先日の竜王戦も二枚換えで竜が出来れば良しと思っていたように、どうも第一感、大局観が悪いようです。いまさら簡単には良くなりませんが、少しでも正しい判断が出来るようになりたいです。
大盤解説しか直接見た(?w)ことはありませんが、渡辺竜王は
第一感がとても良いと思います。そしてそれに驕っているようにも
まったく見えません。直観だけで将棋を指してるはずもありません。
引用の「二枚換えで竜が出来れば」というのは、一般的には「いい」
はずです。「相手の駒はなるべく得な状態で取る」「駒はすぐ成るのが得」*1
というのは、将棋塾で、どんな先生からも教わることです。
なのに、このときだけは良くなかったのです。それを見抜いていたのは
羽生名人だけ。
ちょっと脱線しますが、これを日常生活に喩えてみます。
都バスの一人掛席に竜王が座っていました。
優先席(都バスの場合、前向きではなく横向き)は満員でした。
立っている人もいっぱい居て、釣り皮・手すりも埋まっています。
そこへ腰が曲がり、歩くのも大変そうな老婆が乗車してきました。
竜王は席を譲ってあげました。
しかし同じバスに乗っていた、羽生探偵は気付きました。
老人はつっかけを履いています。遠出をする用事でバスに乗ったのでは
ないでしょう。スカートの下からわずかにひざにテーピングを
しているのが見えます。立ったり座ったりの動作は痛いのでしょう。
そして腰の曲がり具合から、一人掛席に腰を延ばして座ることは非常に
難しいことでしょう。
この場合は一人掛席を譲るのではなく、近くの席の背などにつかまらせ、
老婆を囲みこむように後ろに立って、バスが揺れたときには支えてあげる。
かなりレアですが、老婆にとってはその方が有難いかもしれません。
さて戻ります。大局観というのは、喩えのような場面も想定すると
いうことです。
できませんね、実際…。とても難しいです。
竜王のような方でさえ「大局観が悪いようです」と仰られては、もぅ
フラフラ生きているような私はダメダメですね。でも「ダメダメ」とか
言わずに、そこは注意していこう!と気を引き締めていくとこでしょうw
たとえ見慣れていても、その場面ごとの状況をよく見て、臨機応変に
動けるように心掛けたいものです。
ところで昨日も将棋塾のあと、レディースの方々とお茶をしました。
ここで不成の銀さんのエピソード♪
阿久津棋士に指導対局してもらっているとき。どうみても3手詰めで
自分が負けるのが分かったそうです。とても悔しいけど「負けました」。
ところが阿久津棋士が「え?」聞こえない振りです。
「負けました!」「え?」
実戦なら確かに不成の銀さん3手詰めで負けです。が、阿久津棋士
「こっちは11手で詰みです。考えてください」
不成の銀さん、自力で11手詰めたそうです。そしてなんと
阿久津棋士が「負けました」と。
すごいですねw 教えているのは将棋だけじゃないんですねw
「簡単に負けと思うな。他に手が無いのか探れ」まさに大局を見よ、です。
日常生活、当たり前と思うことも状況判断して臨機応変に行動。
これが出来たら素晴らしいです。
やり過ぎたら病気が悪化しそうなのでやめときますが(笑)
*1:銀は必ずしも「成る」のが得ではない、ということも同時に教わります