アスリートなら怪我しててもオリンピック行きたい

今日は私自身の怪我の治療があった。
午前中に神経の治療をし、そのあと病院を移動してリハビリ。
神経は確実に治ってきていると自覚できるのに、指だけが
悪化しているかのように動かない。
だから主治医も神経治療の効果に明白な答えが出せない。


リハビリが始まってすぐ、担当の理学療法士に聞いた。
高橋大輔選手の代表入りって、本人にとって地獄への挑戦ですよね?」
理学療法士はあっさり否定した。
「そんなふうに考える人は居ないと思う」


だって、ジャンプして着氷するだけで痛いんだよ?
それを「もうイヤだ!」と思っても逃げ出せないんだよ?
なのに苦しくないとでも??


「その痛みの覚悟がなければ、選考会に出場しないでしょ」


当たり前だが、高橋選手の背負ってるものは大きすぎる。
一般人の怪我とはわけが違う。
逃げたくなっても逃げれる状況じゃない。


理学療法士はそれも否定した。
「止めたければ補欠選手も居るし、問題ない。
 それよりも、アスリートがオリンピック出場権を手放すほうが無理。
 ドクターストップ出ても出場する、って言うと思う。だって


 それが好きで続けてきたことなんだから


脳天かち割られた気分だった。


そうだった。
スポンサーとか周囲の応援とか、補欠になった選手の想いよりも
高橋選手のスケートに対する想いが、その肩に一番重いんだ。


足を失ったのなら諦めもつくだろう。しかし、地獄だろうと挑戦すれば
高橋選手には世界一の夢が残されてる。
残されてるなら諦められるはずがない。
痛くて情けなくて涙する日があっても、挑戦は止めないんだろう。


奇しくも、私の会社復帰期限にオリンピックが始まる。
背負ってるものは全然違うし、比べられるものではないけど、
高橋選手が出場するなら… 私だって負けちゃいけないんじゃないの?
もちろん、出社した途端に神経が悪化して腕を失いそうなら、
闘う相手は変えるけれど。


でもね。立場が全然違う世界のアスリートでも、同じニンゲンなんだよね。
痛みと闘う地獄は、やっぱり地獄だと思うんだよね。
どうか高橋選手の痛みは解消されますように。
痛みがオリンピックへの不安に、今以上大きくなりませんように。
たとえ前日であってもいいから、コンディション100%と言える状態に
戻れますように。。