昔の同僚、今も同僚

2007年、休職から明けて、当時所属だった企画セクションに復帰した。


会社は私に、復帰前と同じノルマを課そうとし、しかしながら一方で、
休み明けの私の作る資料なんか…と、あからさまに邪険にされた。
仲良くしていた同僚も、廊下ですれ違っても視線を合わさないし、
居ないあいだに出来ている仲間の輪みたいなものにも入れなかった。


その後、わりとすぐに、私は希望して新しくできた生産部隊の立ち上げ組織に移った。
勤務のビルも変わり、企画の同僚とは疎遠になった。


それから紆余曲折、この春、怪我の休職から戻ってみたら、私の席は
古巣の企画セクションのすぐ近くだった。


休職明けの身は、どうやっても、そうじゃない人たちと同じには扱われない。
意見はなかなか聞いてもらえないし、信頼もされない。
「どうせ、また休むんでしょ」と言わんばかりの軽さ。
その扱いは、仕方が無いと思う。そう思われる過去をつくったのは私だから。


ただ、過去において私は、決して面倒から逃げたくて休職したわけではない。
それを伝えるには、言葉ではなくて勤務態度だと、ようやく分かってきた。
言葉は逆効果だということ。


私を信頼していない同僚に、笑顔で挨拶しても信頼は回復しない。
虚しい無視にあうだけ。


しかし、ようやく最近、仕事で関わる過去の同僚の態度が変わってきた。
提案に耳を傾け、相談を持ち掛け(現在の私は事務スタッフであるため)
そして表情が柔らかくなり、感謝の言葉をかけてくれるようになった。
過去の同僚が、現在も同僚と戻りつつあるよう。


もちろん、今でも沢山の過去の同僚から無視されるわけだけど、
きっと少なくても、融解した部分から段々に、現在を取り戻せると
希望を持てるようになった。


今は、そうして心を許してくれた同僚の、信頼を裏切ることだけはないように
ぐっと気を引き締めていこうと思う。
肩の痛みもほどほどには耐え(無理はしないように)、意見を
聞いてもらえないからと腐ることもなく。
病気の後輩のプレッシャーに、私は負けてはならない。


現在の向こうには、未来もあるはずだから。