思い出をありがとう

最終回から早数年。
愛して頂いたこのコーナーは、ひとえに、主人公である「だいしゃ女」の
可愛らしい人柄と大胆不敵な行動に支えられていました。


コーナーが終了し、私の部署異動が決まった時、これは一作品として製本し、
彼女にプレゼントしました。
表紙は鹿おとこがお土産に買って来てくれた、チョコの包装紙の写真でした。


最終回の通り、だいしゃ女のこの恋は終わりました。


しかし終わったと同時に、彼女は新しい異動先の社屋で、素敵な人と出会いました。
いろいろあったけど、その人との恋を成就させ、今年に入って入籍しました。
家も購入し、幸せいっぱいの生活をスタートさせたのです。


ゴールデンウイークのど真ん中でした。
友人から唐突なメールが届きました。
彼女の訃報でした。


彼女は腕に不調を訴えて休職していました。
悪性腫瘍でした。
しかし4月に会社に顔を出し、仕事していったとのこと。
激ヤセした様子もなく、元気だったそうです。
だから、一ヶ月も経たずに急逝するとは、誰も思わなかったと。


覚悟していたら悲しくないわけじゃないけど、あまりに突然すぎて
まさに心にポッカリ穴が開いたようでした。
まだ新婚のノロケも聞いてなかったのに。


浮かれて、廊下をステップしながら歩いてた彼女の、可愛い様子が思い出されて、
今でも悲しみが込み上げてきます。


残されたほうはつらいけど、彼女は死の間際、幸せだった、
それは嬉しいことです。
素敵な恋が成就して良かったねと、思い出の中の彼女を祝福するのです。
甘えた、ニヤニヤした彼女が、何かを語ってくれるようで…
でも、もう絶対に、彼女は恋ばなはしてくれません。


本当に、このコーナーの続編は無いのです。
だからこそ、ここに詰まっている彼女との思い出は、大切にしたいです。
コメントをくれたり、更新を楽しみにしてくれた方々とのやり取りも含め、
だいしゃ女永遠なれ…