氏名は個人情報か

わずか10年くらいで、ほんと、日本の「個人」に関する捉え方は
激変しました。


ある企業が道路をスキャンしまくったために、表札にフルネームを書くのはやめよう、とか。


マンションの集合ポストに、名前を出さない、なんて人も。


それだけ、こわい犯罪も起きているのだから、仕方ないかもですね。


先日、ある個人情報の法律解釈に携わる人の講習会に行きました。
その時も話題になりましたが、個人を特定できる情報は、
もう自分では守れないほど、ダダ漏れなんですよね。


例えば、私は交通機関を使うのに、非接触型のICカードを使いますが、
ポイントを貯めると値引きに使えるので、記名式ですし個人情報を登録しています。


ICカードには、私の乗車した場所・日時・利用手段・乗り換え場所・下車場所に日時…
沢山記録されます。
週間・月間・年間単位で集計すれば、勤務先の場所は容易に割り出せるでしょう。
それどころか、企業名も特定できるかも。平日に動き回るのは、ほとんど
営業所のある場所です。
ICカードには、勤務先なんて登録してないのに


交通機関は、そういう情報を、本人以外に開示してはいけないことになっています。
でも例外があって、
法的手段、つまり裁判所か警察が「犯罪究明に必要」とすれば、
私に許可なく、開示しなければなりません。


犯罪を犯す予定も、関与を疑われる行動をとる予定もありませんが、
知らないところで見られる可能性はゼロでは無い、ということです。


交通機関カードはさておき、
他のカードでも、私は個人が特定される可能性のある習慣があります。
近所の店のポイントカード。
平日は夕方、週末は開店か閉店直後に利用します。


ICカードには、住所なんて登録してないのに
この利用情報と、監視カメラ映像なんかが盗難に遭ったりしたら、
間違いなく、私個人は特定されます。
住所や電話番号ではなく、私自身がどんな人間であるかが。


日本は治安が良いので、そんな心配するより、値引きしてもらう便利が
勝るわけですが。
気持ち悪いと感じる人は、すべてのカード利用は中止して
ひたすら現金生活ですね。もちろん、病院のカードも断って。


さて、こんな状況にありながら、むしろ軽視されるのは。
手書きの郵便物に、本名を自署することです。
真偽は後で確認すれば…ということでしょうか。


「ネットのメールは気持ち悪いので、自署付きの封書で」という条件に最近遭いました。
これが悪戯抑止になるそうですが、むしろ私の自署なんて、
出回ってないと思うのですよね。
氏名だって、ありふれてますし。
ネットのログ残すほうが、よほど怖いと思ってしまいました。


私の住所・氏名を知ってる人は多いです。
その中から、私を特定するほうが難しい。


さて、私の氏名は、個人特定できる「個人情報」なのでしょうか?