おだてて育てる

「褒めて育てる」という教育法が良いと聞きますが、
それを「おだてて育てる」と履き違えている人を見ます。


とても褒められることじゃないのに、無理やり褒める。
そしてその子は
「褒められないから、やらない」と言う勘違いが日常化。


例えば運動会でのダンス。


ビデオを見ていると、その子は音楽にも遅れるし動きも小さいし
ダラダラと腕を振っているようにしか見えず、
私は絶句していました。


その子の親が「隣の女の子たち、上手でしょう?」と言ったので
「そうね、体全体を使って、綺麗だね」なんて答えていたら


「もうビデオ見ないで!僕だって頑張ったのに褒めてもらえないなら
ダンスなんか二度とやらない!」
とキレる子。


その子にとっての「頑張る」とは
「イヤだったのに、仕方なく踊った」ことを指すそうで。
つまり精神的苦痛と闘ったことを褒めろ、と。


たかが運動会のダンスくらい、褒めてあげても良いけど、
たかが運動会のダンスくらいで、褒められないものを褒めても
ただの、ご機嫌とり。


その子は万事そんな感じで、褒められないとすぐに
投げ出してしまう。
親は「あっちの子より上手い」「子どもなのに上手い」と
おだてて続けさせようとするけど、
本当に褒めて育てるというのは、その子が本当に努力や工夫をして
何かを得たときに、その成果に気付かせてあげることだと思います。


ダンスが下手なら、褒める必要はなく。
練習をしなかったのなら、出来なくて当たり前だと教え。


本当に褒められるのは
精神的な苦痛があろうとなかろうと、一番になった人。
心情的に褒めてあげたくなるのは
どんなに努力しても一番になれなかった人の悔し涙。


人生の中で、誰かに褒めてもらえることはそうそう無く、
そんなことを目的にしたら、それこそ挫折の多い人生になるでしょう。


褒めることは出来るけど、おだてることが苦手な私には
真似できない教育法ですな。