まだ、笑える

今の部署というやつは、業務パトロール的な役割もあって、
真面目にやればやるほど、煙たがられる。
かと言って、手ぬるく仲良くやれば、仕事にならない。


だから私が席に近付くと、「来た!」って顔されて、視線そらされたり
するわけなんだけど、
それでも廊下や社食で会ったときには、ふざけた雑談のひとつもする。



私が自席で笑わなくなったのは、今の部署の人たちの話題に加わりたくないから。


ほら。会社のことブログに書くな、というそばから書いてるし。笑


なに様のつもりか、上司は口を開けば他部署の悪口。
しかも大声で、笑いながら
「あいつら、小学校から算数やり直したほうが良い」。


愛想で笑うのにも疲れて、今は聞いてない振りをする。


だから私はもう、職場で笑うことは無いんだと思ってた。


久しぶりに、入社当時の配属部署の先輩たちが集まるというので、
神楽坂の飲み屋に行ってきた。


人数の割に狭い部屋が充てがわれ、みんな正座か体育座りになっちゃってた。
実は、大企業の常務や役員、広報室の室長や大学教授…
肩書だと、まさかこんなふうに、肩ぶつけながら飲んでるなんて
店の人が聞いたら驚きそうだ、と思いながら。


それでも定年を迎えた人たちを囲んで、上下関係忘れたように
ふざけ茶化し合ってるのは、まるで大学サークルのコンパみたい。


話題は、都市開発だとか、事業の方針とか、最近買った高級品の使い勝手とか。
それなのに、たぶん誰に聞かれちゃっても、ただの下手なディベートか、って感じ。
ただ聞いて頷いてるだけの私も、気付いたら笑ってた。


もちろん、先輩たちだって、職場のフロアではこんなに砕けないんだろうけど、
でも、以前は私はこんなふうに笑ってたなあ、と思い出した。


時代が、同僚の繋がりを強くしていたのかもしれないけど、
また私も、こういう人たちの輪に戻りたい、と思ってしまった。


たまには、笑ったほうが良い。