棋士会将棋フェスティバル2009 in 東京

昨日11/15(日)将棋会館にて「棋士会将棋フェスティバル2009 in 東京」が
開催され、遊びに行ってきました。あまりの楽しさ、面白さに
帰宅後も興奮しまくりで、その勢いで日記書きました。興奮の様子そのままに
ここに添付します。

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行ってきました!
もう、めちゃくちゃ楽しかったです!!
チケットは前売りで完売だったそうなので、行けなかった方には
申し訳ないですが、
本当に、想像以上に、将棋がこんなにフェスティバルしちゃって
いいのか?!と思うくらい面白かったです!


まだ興奮冷めやらず、というところですので
順不同で、もろもろ書きまくります。


木村八段、壊れるw


棋士会将棋フェスティバル2009 in 東京」は午後1時からでした。
参加者の大半が12時までのNHK杯を見ずに外出しなければならなかったと
思います。私も例外なく、NHK杯は最後まで点けておけても
外出準備のために画面の前に座っているわけにはいきませんでした。


今日の放送は木村八段vs西の王子:山崎七段


将棋のことはほとんど分からない私ですが、そんな私でも
観てて泣きたくなるくらい、激しくて恐ろしい戦いでした。
山崎七段も、もう半泣き。ものすごい緊張感でした。


対局は11:40くらいに放送終了し、感想戦が20分ほど放映されました。
私はこの20分の感想戦を聞きながら外出準備をしていたのですが、
いくら相手が後輩とはいえ、木村八段、壊れすぎw
「これ、テレビ放映されるんですよ」と注意して差し上げたくなるほど、
素の毒舌キャラ爆走w 内容的には笑っては失礼なんですが、
その壊れ方ぶりがあまりに面白かったので、準備しながら笑ってましたw
山崎七段、きっと困った顔してるんだろうなぁ、と想像しながらw


さて。将棋会館に着くと、佐藤九段・木村八段・森内九段…
そうそうたるメンバーが階段を昇ったり降りたりの大騒動。
傍目には準備万端に見えたのですが、走り回らなければならない
事情下だったのでしょうか。しかし佐藤九段も木村八段も
とても楽しそうに見えました。


棋士会将棋フェスティバル2009 in 東京」の出し物の中に
読み筋公開対局 渡辺明竜王vs木村一基八段
ありました。
4階の対局室で対局、途中で3回自分の手を封じて一旦対局を中断し、
2階の大盤解説場に来て、自分の封じ手披露と、何をどう読んでその手を
指し、今後どう戦っていくつもりか、まさに「読み筋を公開」するというもの。


普段、棋士がどんなことを考えているか想像すらできませんから、この企画は
とても楽しみにしていました。
結果から言うと…
どうやら木村八段の手は竜王に読まれてしまったらしく、竜王の勝ち。
すると
木村八段、また壊れるww
NHK杯感想戦ほどではなかったけど、毒舌ぶり発揮w いゃ、その毒舌ぶりが
持ち味なんですけどね♪
木村ファンの期待を裏切らない、絶好調の解説・感想でした。


あまりに毒舌なので、具体的な内容はブログでは割愛させていただきます♪


木村八段は普通じゃないから by竜王


さてその「読み筋公開対局」ですが、先手竜王・後手木村八段(振り駒)でした。
まず1回目の序盤
(「序盤で一回封じろ、って言ったのに戦いが始まっちゃった」と佐藤九段は心配しきりでしたが)


記録係に催促されたようで、先手の竜王がまず封じて解説場に登場。
手数はかなり進んでいたのですが竜王曰く
「ここまではほとんど定跡なので読み筋も何もないんですけど」


数手進んでから今度は木村八段が封じて登場。やはり同じように
「ほとんど定跡ですから、ここまでは(優劣)どうとも。まぁ頑張ります」


解説の佐藤九段、森内九段もほぼ定跡ということには異論なしのようでしたが
「まさか、あんなこと考えながら指してるとは思いませんでしたねー」
「普通、これは無いですよね」
「こんなところまで読みますかねぇ」
「読んでましたねー」


素人からすると両対局者の読み筋は大差なく聞こえたのですが、
トッププロには「違いますねー」の驚きのようです。
トッププロは1手の違いで勝負していますから、読み筋が1手違うということは
大きな違いなのでしょう。
それが分かったというだけでも、充分に楽しく面白く♪


ちょっと脱線しますが
森内九段と渡辺竜王は今まさに竜王戦真っ最中。しかも第三局がわずか
4日前に行われたばかり。
この第三局ではどうやらプロ棋士の大半が読んでいなかった手を竜王が指し、
森内九段がまさかの三連敗に追い詰められました。
衝撃的な内容の将棋でしたので、私個人の印象としては森内九段のショックは
相当なものではなかったかと…。この1週間、私なら泣いて終わるね、という
感じでしたので、その先入観のためか、森内九段はあまり元気がなかったように
見えました。


その森内九段の前で、渡辺竜王はどこまで正直に自分の「読み筋」を公開
するのでしょうか?! それは周囲もおおいに気を使っていたようですが、
よりによってこの「読み筋公開対局」を発案してしまったのは森内九段だとw
「半年前に考えたときは、まさかこんな状況になるとは思いもしなかった」と
コメントされてましたw


さて戻りましょw
2回目の封じ手もやはり竜王から。局面は木村八段歩切れ、竜王三歩。
「1筋から歩を突いて飛車で攻めたいと思います」ということで封じ手公開。
ここで竜王
「でも普通、ここで受けてくるとは思えませんねー。受けなかったときに
 どう攻めるかというのは(略…森内九段の前でも割と正直に公開したと思う)
 でも木村八段は普通じゃないですからね!受けてくるかもしれませんね!」
そう言って対局室へ。


佐藤九段、森内九段
「まあ、普通は受けませんね」
「でも木村八段は普通じゃないって言ってましたよ?」


対局室に戻った竜王封じ手を指すと、すぐに木村八段が次の手を封じて会場へ。
佐藤九段が壇上にあがったまま、まさかと思ったのでしょう
「これ、言っちゃってもいいのかな?渡辺竜王は、
 『普通は受けないけど木村八段は普通じゃないので受けるかもしれない』と」


木村八段、壇下から「いやなやつですねー!!
普通じゃないという表現に気を悪くされたのかと思っていたら
そう(封じ手に)書いてきました
え?!」 佐藤九段のあっけに取られた表情にも爆笑でしたw


三回目の封じ手竜王から。既に木村八段が時間切れとのことで
ここで封じないと終わってしまうから、と降りてこられました。
「さすがにここまで攻めてるので、勝勢だと思うんですが…」
読みの手順を公開して退出。


すぐに木村八段が登場。読みの手順は竜王とほぼ同じ。
「私は読み間違えましたね。でも最後まで頑張りますよ」


この場面からたぶん公式戦なら指さないだろうなぁという手を使って
木村八段が受けまくり。鉄板流と表現される森内九段が
「最近は受けの強さでは木村八段にお株を奪われました」と言いながらも
「受け」のテクニックを披露。
ところが解説中に盤面モニターを見た森内九段が「ふぇ?!」
さすがの森内九段も絶句する、顔面受けが炸裂w
やはり木村八段の受けは…もしかしたら「受け」だけじゃなくて
本当に「普通じゃない」のかもww


毒舌ながらも木村八段の対局後の感想によると、
イベントなので本来なら投了する場面でも誰でも理解できる場面まで
指し続けた、とのこと。顔面受けもイベント対応だったかもですね?


プロってこわい


「読み筋公開対局」の大盤解説は、主として解説が佐藤九段、森内九段。
聞き手に斎田女流と千葉女流。4名が入れ換わり立ち替わり解説。
一度斎田女流+千葉女流のお二人で大盤の前に立たれたのですが…
トッププロの対局をトッププロが見ている前で解説という状況に
激しく緊張されたようで、お二人とも駒動かせずww
そりゃーそうですよね!


そこで会場の後ろで見ていた矢内女王が急きょゲスト解説。
さすがNHK杯聞き手をやられているからか、肝の据わり方が違うのかw
鮮やかな解説をされました。かっこいいなー!


またもやちょっと脱線。
あまりのかっこ良さに同性ながら見とれてしまい、イベント終了後
どうしてもお話したくなりすり寄って行ってしまいました。
「女脳」を読んだこととその感想を、ぶっちゃけトーク。感想に
矢内女王は驚かれたご様子でしたがw ほんと、かっこいいですよね。


戻ります。
矢内女王が「私はいつまで解説すればいいんですか?」と苦笑w
すると「生きのいいのを連れてくる!」ということで登場したのが
佐藤(天)五段と中村四段。局面は三度目の封じ手の後です。
いきなり大盤の前に立たされたようで「初見なんですが…」。


ところがいきなり、お二人とも解説開始。
木村八段の受けが無いことや、なんと「後手一手損角替わり」だった
ことも言い当て。なんで最終盤なのにそんなことが分かるのだ?!!
しかも解説はさっきまで佐藤九段、森内九段、矢内女王が指摘していた
ものと全く同じ。信じられません。わずか1分ほどで形勢判断です。
ん…プロなら当たり前なくらい大差がついていたのかもですけど。


佐藤五段はイベント開始直後「目隠し三面指し」を三局すべて勝ちで
成功させていましたから、もうプロ棋士の恐ろしさというのは
充分に分かったつもりだったのですが、この大盤解説でダメ押しでした。
「才能は続けること」らしいですが、やはりプロ棋士の場合、
頭が良くなきゃムリですね!


まとめ


プロ棋士は将棋を指して生計を立てている方々ですが、
申し訳ないですが、今回のイベントは面白すぎました。
将棋の研究に没頭したいのが本音かと思いますが、今後もこのような
「プロ棋士ならではの発想」のイベントは見てみたいと思いました。
恐縮ですが、どうが、頑張って二回目実現を・・・


■追記 2009.11.16PM
Twitter某より当エントリー「棋士それぞれの個性が活写されているレポ。」
とのご紹介をいただきました。過大なる評価、ありがとうございます。


あと恐ろしいことに、今googleで「棋士会将棋フェスティバル」検索すると
とんでもない結果で当エントリーが表示されます。google先生、ありがとう。